「クリスマスどうする?」
黒板を消しながら、陽菜に問いかけると
「遊ぶ~」とだるそうな返事が返ってきた。
「イルミネーションでも見に行く?(笑)」
「それは、むなしいだけ~……。」
「だよね~…。」
クリスマスには、彼氏と2人でイルミネーションを見ることが憧れでもある。
でも、周りにカップルが増えるだけで
私には全く彼氏ができない。
高校生になったら、彼氏と!!なんて
中学生の時思ってたけど、そうそう彼氏なんか出来るわけないよね…。
「あれ、でも七海はさ、
竜也(たつや)いるじゃん?」
「え、竜也?!」
「そう、竜也!」
「竜也…は、ないかな。」
森 竜也 (もり たつや)。
入学した時に、隣りの席になってから
良く話すようになった。
「えー、そう?
お似合いだと思うけど?」
「……特別仲いいってわけじゃないからね~」
竜也は、顔も性格も整ってるし運動神経もいいから、すごくモテる。
だから、私が竜也と話せるのは
竜也が優しいからであって
竜也が私に気がある訳じゃない。

