「え、何そんなに俺の顔ひどい?!」
私が驚いたことが、少し派手目な人(竜也)の顔のことだと思ったみたい…。
あんなに整ってるのに、変なわけないのに。
少し派手目な人(竜也)は、目がパッチリしていて鼻がスっと通ってて誰が見てもイケメンと言うであろう容姿をしている。
そんな彼がモテない訳がなくて、
今でさえ女の子からの視線が痛いくらい。
「いや、ち、近いです。」
なるべく小さな声で、小さく抵抗すると
「あ、なるほど。ごめん」と
意外なことに普通に離れてくれた。
「シャーペン貸してくれない?」
「あー…、はい。どうぞ」
最近買ったばかりの新しいシャーペンを貸してあげた。
できれば自分が一番に使いたかったけど
仕方ないな……。
「ありがと!」
そう言って眩しい笑顔を向けられた。
普通だったら、ここで
キュンってなる所なんだけど
この時の私は、ただただ、この人が怖かった。

