――――入学したばかりの頃
「あ、シャーペン忘れた」
ふと、隣を見ると筆箱をあさりながら
そう呟いた派手目な人(竜也)がいた。
筆箱あるのに、シャーペン忘れるとか馬鹿なのかな…?
一応、シャーペン3本あるから貸すことできるけど話したことないし、しかもちょっと苦手なタイプだし…。
そう思って、気づかないふりをして
なかなか慣れない高校の授業に必死でついていっていた。
「ねえ」
「…………」
話しかけられた。
「おーい」
「は、はい。」
恐る恐る振り返ると、私の机に乗り出してきていて、顔の距離があと数cmしかないほど近くにあった。
「わっ…。」
これでも、最小限の驚き方なのに
派手目な人(竜也)は「ん?!」と大袈裟だ。

