「はい!どうぞ!!一発、お願いします!!」
そう言い切って、ぎゅっと目を瞑ったその次の瞬間、
「へ?」
馬鹿みたいな声を漏らして私は、目を開けていた。
だってだって、私五十嵐くんに……
抱きしめられてる。
「あの殴るんじゃ……」
「殴るなんて一言も言ってねーよ」
耳元で聞こえる言葉に、勝手に早まる鼓動。
なんで、別にドキドキするような言葉じゃないのに。
「っと、ムカつく」
そう呟くと、これでもかってくらいにきつくきつく抱きしめられる。
痛いほどに力がこもっているのがわかる。
そんなことないのに、大切だっていわれてるみたい。
やばい、勘違いしそう。
「あの五十嵐くん、苦し……」
苦しいのに、なんでこんなに嬉しいんだろう。
口は勝手ににやけてくるし、怒られてるのになぜか心は踊ってる。
鼓動が早いの聞こえちゃったりしてないかな?


