「いや、あのですね。ちょっと亜美さんにお願いしたいことがありましてですね……それで会いに行っちゃおうかな〜みたいな、あはは」
しーんとした空間に私の笑い声だけが響く。
なんだこれ、つらい辛すぎる。
さっきから五十嵐くんが全然笑ってくれない。
やばいこれ本気なやつだ。
だってあの如来様の五十嵐くんだよ?そんな方が怒ってるんだよ?
普段優しい人ほど怒ると怖いって言うけどまさに五十嵐くんはそれだよっ!
「亜美に何頼もうとした?」
これ以上隠してたっていいことないよね。
どうせ五十嵐くん相手に隠しごとなんてできないし。
言うだけ言って、怒られたらしょうがない!
平手打ちくらいなら甘んじて受け入れますよ、はい。
だってここに来たこと私は後悔してないもん。
さあ、覚悟を決めて切腹しよう!
「五十嵐くんの良いところを伝えて、わかってもらおうとしてました……勝手なことしてごめんなさい!一発殴っても煮ても焼いても何したって構いません!!」
「殴っても煮ても焼いても?」
まだ五十嵐くんは下を向いたまま。顔は見えない。
低く怖く、声を出してる。
マジで殴るの!?
いや、まあ自分で言ったんだし当たり前か。
うん、私五十嵐くんに殴られてもきっと悔いはない!!
……でも、あんまり痛くないといいな。
と密かに願う。


