「なに、それ。言っとくけどふったのは亜美なんだからね!今更柊にふられたみたいな言い方、やめてよね!」
「うん。知ってる、俺は亜美にふられたから。辛かったし恨んだりもした。でもさ、俺は確かに亜美といて楽しかった記憶もあるんだよ。だから今、前に進める。その記憶だけは、思い出に残しておいてもいいか?」
こういう五十嵐くんを見ていると、吹っ切れたっていってたことが嘘じゃないっていうのが分かる。
五十嵐くんはどうしてこんなに良い人なんだろう。
「そんなの、柊の勝手にすればいいじゃん!私の許可なんていらないもん」
「ん、じゃ覚えとく」
五十嵐くんが笑顔で言うと、亜美さんはプイッと効果音がつきそうなほど勢いよくそっぽ向いて去ろうとして、足を止めた。
一度、私に目をやった、かと思うとキッと睨まれた。
「私、有紗ちゃんみたいな子だいっっきらい!!真っ直ぐで、なに言っても挫けない子ってだいっきらい!!」
「は、はい」
すっごいはっきり言われた。いや、わかってたけど。
嫌われてるのくらい態度でわかってたし、私だって亜美さんのこと敵視してたし…
でもそんなはっきり言わなくても……そこまで言われるとさすがに傷つく。


