ほんとのキミを、おしえてよ。



「じゃ、取り敢えずステップ1から始めていい?」


五十嵐くんの良いところって何から始めたらいいのかな?

やっぱり日常編?


「だ〜か〜ら!亜美はそのスリーステップにのるなんて言ってないっ、勝手に話進めないでよ!私、帰る」


「あ、待って!」


手首を掴んで振り返った亜美さんに、友好的な微笑みを向ける。
前に会ったとき、亜美さんが浮かべてたような笑顔。


ここで帰られちゃ困るな。

まだ私、なんの目的もはたせてない。


もし帰るっていうなら、


「何度だって来るよ。
単純でバカだから、隠し事とかできないから。勝率とか気にしてられないよ!亜美さんにわかってもらえるまで何度だって五十嵐くんの良いところ伝えに来るよ!」


直球勝負しか出来ないから。
駆け引きとかわかんないから。

しつこいって言われても来るよ。

それが私が五十嵐くんに出来ることだと思うから。



私の言葉に亜美さんは、まず初めに驚いて次に考え込んで最後にまた、可愛らしく首を傾げた。


「有紗ちゃんはそれでいいかもしれないけど、柊はどう思ってるのかなぁ?
もう私と会いたくないかもしれないよ?
有紗ちゃんのすることに、柊は迷惑だって思ってるかもしれないよ?
柊を傷つけてまで私と会わせたいって、それ有紗ちゃんの自己満足だと思うなあ」


亜美さんが手を口元にあてて、クスッと笑った。


嫌だ、負けたくない。

勝負なんかじゃないけどなんかここで絶対引きたくない。

ここで引くほど気弱な私じゃないでしょ?

拳をにぎり、目に力を入れる。