美羽が全く聞いてくれない。
なんなんだよ。
今日に限ってなんでこんなに頑固なんだよ。
美羽のことじゃないのに、どうしてそこまで怒るんだよ。
「いや、嘘なんか……」
と言いかけて、
「じゃああれ!」
不服そうな顔のままで、美羽がビシッと指差した。
「なんであんな空き瓶大切にしてるの?あんなのどこにでも売ってるじゃん。むしろゴミだよ!どうしてただの空き瓶しっかり洗ってデコってるの?
私、知ってるもん。あれ、誰からもらったか」
美羽が腕を組んでふふんと、得意顔をした。
確かにそれは中村さんからもらったものだけど。
「あれは、ただ嬉しかったから……」
普段、人からプレゼントとか久しぶりだったから。
誕生日とかじゃなくてくれたのがなんか嬉しかったから
中村さんじゃなくても……っ、多分嬉しかった、から。
俺がそう言うと、美羽が傷ついた顔をしてから思いっきり息を吸って俺に向かって怒鳴った。
「嘘つきなお兄ちゃんなんて嫌い!わかってるのに知らないふりしてるお兄ちゃんなんか、そんなの私の知ってるお兄ちゃんじゃない!!」
言い切ったと思うと、プイッと駄々をこねる小さい子みたいにそっぽ向いた。
こんな美羽久しぶりに見たぞ?なんで退化してんだよ。
ただでさえ、中村さんのことで頭が埋まってんのにその上美羽までとか、俺今年厄年なのか?


