はー、ムカつく。
左手で髪を乱したところで、苛立ちもムカつきもどこにもいかない。
つーか、なんで俺はイライラしてんだよ。
その苛立ちの原因も対象もはっきりしないから厄介だ。
「ふーん……あっ!そうだそうだ、有紗ちゃん次はいつうち来てくれるの?」
美羽は俺の言葉に一瞬不満そうな顔を浮かべて、それからこれでもかってくらい目をキラキラさせている。
そういや中村さん、美羽と約束してたっけか?
美羽が一方的にではあるけど『泊まりに来てね絶対!』って言ってたな。
うわー、言いにく……言ったら美羽、怒るだろうな。
けど言うしかねーよな、事実だから。
どうせいつかはバレることだし。
「あのな美羽。ごめん俺、中村さんに嫌われたかもしれない。したら、もううち来てくれないかもな、本当ごめん」
苦笑いを浮かべた。


