「え?」
気にしないって……え?
突然の言葉に頭が追いつかない。
五十嵐くんの笑顔にちょっと場が和んだ、次の瞬間。
「でもさ、中村さん。気をつけたほうがいいと思うよ」
五十嵐くん近くにあったタオルを私の頭にパサリとかけた。
「わ?!」
ふわりと香る、ジャージと同じ柔軟性のタオルに視界を遮られる。
そのままタオル越しに髪をくしゃくしゃっと二度ほど触られる。
なんだろう、これ。
直接触れられてるわけじゃないのに……
「俺だって何もしないとは限らないから」
耳元で、その言葉を残して部屋の外に出る。
え、え、うそ。
今の五十嵐くんが言ったの?
だって普段そんなこと言う人じゃないし。
なに、それ。
何もしないって、それは何かしようと思ってたってことなの?
タオルあってよかった。
顔が見えなくて良かった。
だってこんなの、鏡見なくたってわかる。
私今絶対顔真っ赤だ。
何でもなかったようになんて、そんなの。
出来るわけない。


