ほんとのキミを、おしえてよ。



「中村さん、大丈夫?」


私があからさまにわからないって顔をしていたのか五十嵐くんが声をかけてくれる。


「これがわからなくて」


五十嵐くんがわざわざ反対側に回ってくれて私の後ろからテーブルに手を付いた。

覗き込むようにして英文見ると、すぐに理解したようだった。


「ああ、これはことわざだね」


なるほど、それはわからなくても仕方ない。


「直訳すると、こぼれた牛乳を嘆いても仕方がないってとこかな」


って、まず直訳の時点で違うじゃん。


なんだ、この人別に特別牛乳好きでもないじゃないか。

だったら身長もわかんないな。
あ、身長関係ないか。


でも私、ことわざなら得意だよ。

ことわざ辞典が愛読書……っていうのは嘘だけど、ずっと本棚に飾ってあるからごくたまに読んだりするし。


とりあえずこの文が言いたいことは、一度起きたことを嘆いても仕方ないってことだよね?