「廊下は走ったらダメだって」
「あ」
前に五十嵐くんに言われたことを思い出して、急いで勢いを殺して止まろうとする。
「あっとととと!!」
けれど、勢い余って前に転びそうになる、直前
「危ないし、な?」
後ろから、五十嵐くんが私を抱きかかえるようにして転ばないように助けてくれた。
「あ、ごめ」
見上げれば、少しだけ困ったように眉をさげて笑う五十嵐くんの姿。
「あ、りがとっ!」
この体制がなんだか恥ずかしくて、顔が熱くなってきた。
転ばないようにとはいえやっぱり照れるよ!
男の人に、しかも完璧王子様に抱きかかえられるとか、私の心臓もちまませんから!
なんて思いつつ、五十嵐くんからパッと離れる。


