ほんとのキミを、おしえてよ。



「もうそろそろいいんじゃないかな」


これでもかってくらい笑う五十嵐くんにそう言って、蛇口の水を止める。


「はいどーぞ」


ハンカチで水を拭いて、腫れている部分をキュッと結ぶ。

私、何気にハンカチ持ってる女子力高い系女子なんですよね。


「ありがとう、中村さん」


五十嵐くんがハンカチを見つめて言う。

「いえいえ、お安い御用ですよ。
五十嵐くんになら有紗ちゃんのハンカチプレゼントしてあげてもよくってよ☆」


パチン、とウインク一つ。


「あ、ハンカチじゃなくて。
いや、ハンカチも嬉しいんだけど」


「え、違うの?」


一人で芝居じみたことしてて、バカみたいじゃないか。


「怪我。気付いてくれて嬉しかった、から。ありがとう」


首に手を当て、少し視線を外しながら。

そしていつもの爽やか笑顔とは違う、はにかんだ笑顔を浮かべる五十嵐くん。