ふと、五十嵐くんの左手の手首が赤く腫れてることに気付く。
そうだ。さっきヤンキー二人組に殴られそうになったとき、痛そうな顔してたんだった!
「五十嵐くん、水道!そこの公園行こう」
花那ちゃんのことも心配だけど、五十嵐くんが怪我してるなら悪化しないようにしないと!
「え?」
いきなりなんで?という五十嵐くんの顔。
「ほら、急いで急いで!」
怪我してない方の手首を掴んで引っ張っていく。
水道を見つけて一直線に進んでいく。
「はい、左手出して」
五十嵐くんの袖を適当にまくって蛇口をひねる。
「っ、めた」
水道に患部を当てて、勝手に一安心する私。
「あたりどころ悪かったでしょ。ちゃんと痛いって言わないとわかってもらえないよ?」
「よく、気付いたね」
流れる水を見ながらの会話。
「だって、さっき殴られたとき痛そうな顔してたじゃん」
「いや、帰ったら湿布でも貼っておけばいいかなって……」
ははっと力なく笑う五十嵐くん。


