「やっぱり世間体なんだね」


そう小さく口にすると


「しょうがないだろ」


と返してくる


くたびれたシャツに疲れきった顔


きっと気づいてから必死に私のことを探してしたんだろう


正直、これからの生活は不安しかないし、生きていけるかさえわからない


これからどれだけ苦労するかもわからない


でも、ここだけは譲ってしまってはダメな気がした