「行ってきま〜す。」
「はい。頑張ってね」
時刻は、午前9時15分。今日は学校の振替休日で休み。市進学院は、私の塾だから簡単に行ける。完璧!
「〜♪〜♬〜♪〜♬〜♪〜♬〜」
私は、鼻歌を歌ってスキップしながら向かっていた。曲は西野カナのトリセツ。最近流行ってて、ママ
がCD買ってきてくれて、毎日のように歌ってる。このたび〜はこんな私を選んでくれてどうもあり〜がと
う♬そう気分よく歌っていた私に次の瞬間衝撃が走った。なぜなら………………………。
市進学院の前にはまだ早いのに50人くらいの女子がもう集まっていたんだもの。これからどんどん増える
となると…、一体何人もの女子が受けるの!?そこから五人って……………。無理すぎる。いくら何でも多い
よぉ〜。泣きたい気分だったその時。ふと、烏丸先生の笑みが頭に浮かんだ。あの爽やかな笑顔………。涼
やかな瞳。そうだ。私は烏丸先生の期待に答えなくちゃっ!そして笑顔で言うんだ。『受かりました。』
って!よしっ!1--A組、出席番号4番。桜葉鈴!今日は頑張りますっ!そう青空に、そして烏丸先生に誓っ
たんだ………………………。
