「それじゃまた会おう!」


振り返ると、一ノ瀬が笑っていた。もちろん黒沢くんもクールな笑みで。最後の言葉は何となく格好つけ


てた気がする。でもまた……会おうって言ってくれたんだ。ただそれだけの言葉が妙に私の胸に突き刺さっ


て、危うく泣くところだった………。そうだね。またどこか会おう。そう心のなかでつぶやいて、痛めた足


を頑張って動かしながら、再び私は、歩きは始めた。