好きっぽい★

それは先日、カジ君の部屋で見つけた、ビキニ姿の女の子が表紙を飾った雑誌だった。

胸の大きなその子の写真の横には……。


“小泉ミカ! 小悪魔ビキニショット!”の文字。


“小泉ミカ”?

この名前……どこかで聞いた覚えが……。

あたしは頭の中で何度も繰り返す。


「あ……ああああああ!」


昨夜、トンネルに向かってカジ君が告白した時に呼んだ女の子の名前だ!

え?

じゃ、あの時呼んだのはこの子の名前であって……自分の彼女の名前じゃなかったの?


「あの……カジ君、“小泉ミカ”って……」


「ああ」


カジ君はサッとあたしの手から雑誌を奪う。

そして他の雑誌もかき集めながら、ちょっと照れたように、ブツブツ呟く。


「んなの、マジな名前だすわけねーだろ。適当にグラビアアイドルの名前言っただけだよ。男連中はみんなわかってんじゃね?」


そ、そうか。

大野先輩も気づいてたんだ。

だから、さっきあんな意味深な言い方してたんだな……。


「そ……そうだったんだ。 あたしてっきり、彼女の名前だとばかり……」


「あのさ……。だから彼女じゃないっつか……」


カジ君が否定したその時、手にしていた雑誌の間から、小さな紙切れがヒラヒラと落ちてきた。