好きっぽい★

「キミ、オカルト研究会のメンバーだよね? だったら大丈夫かな……」


お兄さんはそう言うとあたしからパッと顔を離した。


“オカルト研究会”


そう。

それがあたしの所属しているサークルの名前。

活動内容はというと……

国内外を問わず、オカルト系の情報を集めて、みんなで交換する。

心霊スポットに行って、その真偽を確かめる。
(これはまだあたしは未経験)

全国オバケ屋敷観覧ツアー。

あとは、ホラー映画をみんなで鑑賞したりもする。

ああ……なんてマニアックな人達。


って、そう思うでしょ?


あたしだってこんなサークル、ほんとは入る気なんてサラサラなかった。


だってほんとは、あたし……。


その時、お兄さんの顔が急に強張った。


「この部屋はさ……」



部屋を見渡しながら、ポツリポツリとゆっくり説明を始めた。


「誰も使ってないんだ……長いことね。 立ち入り禁止の“開かずの間”って呼ばれてる」


「あ……開かずの間?」


そう言いながら、ガタガタと体が小刻みに震える。


「そ。入っちゃダメなんだよ……」


嫌な予感がして、ゴクリと唾を飲んだ。

まさか……それって……。





「……出るんだよね、この部屋」