「小泉ミカが好き―――! お前が好きだ――!」


その途端、胸がズキンて音を立てた。

“小泉ミカ”さんっていうのか、彼女……。


彼女が羨ましいな。

“好き”って言ってもらうことって、すごいことなんだね。

あたしにはとうてい叶わない夢だった……。


“好き”どころか嫌われちゃったんだもん。


やっぱり告白なんてするんじゃなかった。


好きになってもらわなくても良かった。

せめて嫌いでなければ……ずっと近くにいることができたのに……。


もう二度と、あの優しい目で「ナギ」って呼んでくれないのかな。


湿気を帯びた生ぬるい風が肌にまとわりつく。

そのせいで呼吸すら上手くできない。

苦しい……。


胸が痛くて……苦しい。


最悪の夏休み。