あたし達はその音の鳴る方へ視線を向けた。


それはとなりの部屋のものだった。

襖を開けているため、あたし達のいるところからは、となりの部屋の様子が良く見えた。


その部屋には仏壇が置かれている。



あたしは、まだ鳴り続けている柱時計の方へ目をやった。


そして……


「あ……」


ケイちゃんとあたし、二人同時に息を飲んだ。


柱時計の横の壁には、写真がいくつか掛かっていた。


遺影っていうのかな、胸から上のポートレイト。


すごく年代を感じさせるものもあって、多分、先祖代々の写真なんだと思う。


その中の一つに、見覚えのある顔があった。


背筋が凍りつくってこういうことを言うんだと思う。


写真の中でにっこり微笑んでいる人物……

それはついさっきあたし達が見た顔だったから。


カジ君とは対照的な切れ長の目……


間違いない。


それは、カジ君のお兄さんだった。