「ウソ? それはないんじゃない? 少なくともカジ君がタオルケットをミサコ先輩に渡したっていうのは事実でしょ? ミサコ先輩もそう言ってたしさ。でもって、ミサコ先輩がツッチーに渡した……っていうのもホントでしょ? だって、ツッチーがタオルケットを抱きかかえているのを、マヒロ先輩が見てたんだよ?」


「だとしたら、マヒロ先輩が一番怪しいかも。自分の証言しかないし、一番アリバイが薄いじゃん」


「それはナイナイ」とあたしは首を横に振った。


「マヒロ先輩はないよ。最近彼女できてラブラブだって言ってたし。第一、マヒロ先輩はあの部屋であたしが寝てるなんて知らなかったはずだよ? それにアリバイのこと言い出したら誰にだって可能性はあるんじゃない? カジ君だって、ミサコ先輩だって……他のメンバーだってあの場にやってくることはできたはずだからさ」


「そっかぁ……」とケイちゃんは呟いた。


あたし達の推理は完全に行き詰ってしまった。