自然と足はみんながいる広間の方へと進む。

だけど、トイレのある角を曲がった瞬間、あたしの足は何かにつまづいた。


「きゃあああああ」


体勢を崩して、派手に転んでしまった。


「痛ぁ……」


何につまづいたのかと、振り返ると誰かが廊下で寝そべっていた。


「ツ……ツッチー?」


それは、ツッチーこと、土田修(ツチダ・オサム)だった。

ツッチーはあたしと同級生の1年生。


だけど、一浪してるから歳は1つ上なんだ。


かなり酔っ払っているのか、真っ赤な顔のままイビキをかいてる。

熟睡してそう。


もぉ。

こんなとこで寝てたら風邪ひくよ。


「おーい! ツッチー! ツッチーってば!」


あたしはツッチーの顔を覗き込んでペチペチと頬を叩いた。

ツッチーはびくともしない。

どうしよ……。

途方に暮れていたその時、頭上から誰かの声がした。



「どした?」