好きっぽい★

それは生まれて初めて経験した“一目ぼれ”ってヤツだった。


大学に入学して間もない頃、彼に声をかけられた。


「うちのサークルに入ってくんない?」って。


大学のサークル勧誘っていうのは、思っていた以上にしつこいものだった。

連日色んなサークルから声をかけられて、正直うんざりしていた。

だけど、その人の顔を見た瞬間、思わず「はい」って即答してしまった。


カジ君は子供みたいにクシャって顔を崩して「マジで?」って喜んでくれた。


その笑顔にあたしの心臓はズッキュンやられた。




「うち、女の子、なかなか入ってくんないんだよねー」


カジ君はビラを差し出して、活動内容などを説明してくれてたけど……

あたしの耳にはもう何も届かなかった。

ただ、彼の優しそうな瞳にずっとくぎづけになってた。


「じゃ、そゆことで。これからよろしくね」


気がつけば、入会の手続きは完了していた。


「ようこそ、オカルト研究会へ。ナギちゃん」


ポンと肩を叩かれ、ハッとして目をパチパチさせる。




「お……オカルトおおおお?」