なんだかおかしくて、あたしは吹きだした。


「笑いすぎ」


カジ君はカツンって軽くあたしの頭を叩いた。


「いたーい」


なんて文句言いながらも、あたしの頬は緩みっぱなし。

カジ君の好きなもの、ひとつ覚えた。

ふたりとも同じものが好き……なんてそんな些細なことがすごくうれしい。

もうこれからは、無理して合わせることはないんだよね。



カキ氷はいちごミルク

真っ白な入道雲

グラスに入れた氷の音

朝顔柄の浴衣

線香花火

縁日の金魚すくい

背の高いヒマワリの花



ねぇ、カジ君。

好きなもの、たくさんあるんだ。


ひとつずつ言うから、カジ君も教えてね。

そんな風に、もっとカジ君のこと知っていきたい。