「大野だよ。なんかわかんねーけど、急に。さっき連絡きてさ。しばらく旅に出るから、今日の花火大会は不参加だって」


「そうなんですか。大野先輩がいないと、なんか寂しいですね」


大野先輩とは、あの日以来会ってなかった。

ちゃんとお礼言いたいんだけどな。

あの時、大野先輩が背中を押してくれなかったら、あたしはカジ君の家に行くことはできなかったと思うから。


「大野先輩にメールでもしてみようかな……」


そう思って、ケータイを手にした瞬間、メールの着信を告げるメロディーが鳴った。


驚いたことに相手は、今まさにメールしようとしていた、大野先輩だった。


「大野先輩からだ……」


あたしはそう呟いて、メールを開いた。