「くっそー、間に合ったと思ってんけどなー」
「お前のその自信はどこから」
「え?ここやで」
聖は自分の足を指差す。
そういえば、聖は陸上部のエースだったか。
顧問にも将来有望だとか、言われてるんだっけ……
「はいはいおめでとー、100m学年一位サン」
「こら流すなや」
俺が軽い嫌味をこめて聖を褒めると、聖は俺の頭にチョップを返してくる。
「それより、早くやっちまおうぜー、バツ掃除」
「うえー…」
俺が頭を押さえながら言うと、聖のそれまでのテンションは一転、顔をしかめる。
目の前に広がるのは、平凡な男子トイレの光景。授業中だから生徒なんているはずもない。
生徒指導の先生に命じられて、俺たちはモップ片手にここにいる。
聖は、「遅刻のペナルティがトイレ掃除っていつの時代やねん。昭和か」なんて文句をさっきからブツブツと言っているが、1時間目が俺の嫌いな物理だったから俺にとってはこっちの方が楽かもな。
あーあ、なんて不謹慎だ、俺は。
「蒼ー。暇やー」
「いや掃除しろよ、掃除」
「いや、だって今平成やし」
「もういいって」
「掃除もうええのん?」
「違うわ!さっさと掃除しろ」
「お前のその自信はどこから」
「え?ここやで」
聖は自分の足を指差す。
そういえば、聖は陸上部のエースだったか。
顧問にも将来有望だとか、言われてるんだっけ……
「はいはいおめでとー、100m学年一位サン」
「こら流すなや」
俺が軽い嫌味をこめて聖を褒めると、聖は俺の頭にチョップを返してくる。
「それより、早くやっちまおうぜー、バツ掃除」
「うえー…」
俺が頭を押さえながら言うと、聖のそれまでのテンションは一転、顔をしかめる。
目の前に広がるのは、平凡な男子トイレの光景。授業中だから生徒なんているはずもない。
生徒指導の先生に命じられて、俺たちはモップ片手にここにいる。
聖は、「遅刻のペナルティがトイレ掃除っていつの時代やねん。昭和か」なんて文句をさっきからブツブツと言っているが、1時間目が俺の嫌いな物理だったから俺にとってはこっちの方が楽かもな。
あーあ、なんて不謹慎だ、俺は。
「蒼ー。暇やー」
「いや掃除しろよ、掃除」
「いや、だって今平成やし」
「もういいって」
「掃除もうええのん?」
「違うわ!さっさと掃除しろ」
