「----う、そーう、蒼!」
「ぅわ!」
大声に驚いて顔を上げると、聖の不機嫌な顔がこちらを睨んでいる。
「ったく……驚かせんなよ……」
「驚かせんなよ、じゃないやろっ。俺さっきから呼んでてんけど?」
「…………ごめん」
俺はまた目を伏せる
「ごめんって、言われてもなぁ。お前、さっきからずっとそんなんやんけ」
聖は俺の隣の席に腰掛ける。
上の空のまま4時間目がすぎて、今はお昼休憩だ。

「別に…俺だって、したくて、してるんじゃねぇ、し………」

「………」
俺が今にも消え入りそうな声で言うと、聖は黙って俯き、宙に浮いた足を前に後ろに動かす。

「あのさぁ」
しばらくの沈黙の後、口を開いたのは聖だった。

「……あ………」

聖は、一度口を開いてまた閉じる。

「…………メシ、行かへん?」


お前に慰めの言葉を期待した俺がバカだったよ…………!





………でも、気づいてんだろ。