氷の上でとろける恋を






慎ちゃんより少し甘い顔立ちだけれど、やっぱりパパに似ている。
たまに腹黒い一面を見せる慎ちゃんとは違い(こんなこと本人には言えない)、王子様と呼ばれている快くんは中身も王子様みたいで、いつでも優しい。



「おいで、梨沙」

といいながらゆっくり歩いてくる快くんに、いつものように抱きついた。


「快くん!会いたかった!!世界選手権惜しかったね」


「1年ぶりかな?また身長伸びた?」


「うん、伸びたよ〜!ジャンプが跳びにくいの今。」


実はこの1年でグッと身長が伸びて、バランスが上手く取れなくなったことが原因でフェンスにぶつかって怪我をしてしまった私。


なんだかまだ成長しそうな勢いだから少しだけ困っている。


--チュッ


「わわっ、快くん何すんのさ〜」


さっきの音は快くんが私の頬っぺたにキスを落とした音。


まあ、帰国子女?な私はもちろんのこと慎ちゃんも快くんもカナダで生活していた時期もあったし家の中では頬にキスするなんて当たり前のことだったけど……日本人ってこういう公の場ではキスとかしないよね?と考えながらも



「嫌だった?」


「んーん、嫌じゃない」


快くんのことが大好きな私に拒否することなんてあり得ないんだけどね。