ようやく探していた私が大好きな世界中にチェーン店を出しているカフェを見つけて入ろうとした時だった




「Lisa!!!!」


ん??この声って…



「Emma?!」


そう、そこにいたのは私の数少ないカナダでの友達でありライバルのエマリア。
カナダでは女子のシングル選手があまりいないから同じクラブで唯一の同じ年のスケーターの女の子。


学校でも仲良くしてくれて5歳からずっと一緒に頑張ってきた……別れるのが寂しくなるから敢えて連絡は取らないでおこうと思ってたのに。



「ひどい!!どうして何も言わずに行っちゃうのよ!」


「ごめんね、寂しくなっちゃうから…」


エマのキラキラした瞳からは今にも涙が溢れそうだった。


「来シーズンは、絶対にリサに勝つから!リサ、私もシニアに上がるけどいきなり調子落とさないでよね!!」


……しおらしくなってたかと思いきや、いきなりの闘志メラメラ。うん、わかってたよ?エマがそういう子だって。


普段はすごく明るくて一緒にいて楽しいけれど試合のことになると闘志を燃え上がらせるエマ……でもスポーツをしている人にとってそれはわるいことじゃない。むしろいいこと。



「うん、わかった!必ずまた試合で会おうね」


「ええ、それまでにあなたは異常なほどに緊張するのを治さなきゃ」



うっ…痛いところを突かれてしまった。