「はっ……」
キツ。
べちゃっと水分多めの雪を飛ばして、やっと校門の前。息が切れてる。心臓が痛い。なんでこんなに走ったんだろ。
最近机にばかり向かっていた18歳の身体は駅から学校まで走るだけでこんなことになってしまうのか。
どくどくどく。
心臓の動きは早いしこんなに寒いのに芯は暑い。早くコート脱ぎたいな。
1度長めに息を吐いて吸ってから、校門をくぐった。
昼間も来た。がむしゃらに勉強して、休み時間はみんなとふざけて、また明日ねって。
だけどいつ来ても変わらないこの校舎はわたしたちがこの制服を着ている限り、絶対的な居場所となって、いつだってわたしたちを受け入れる。守りつづける。
寒いでしょ。そんなところにいないで早くお入り。知った顔がいっぱいいるよ。
みたいな。
当たり前のように開いて歓迎する生徒玄関で、当たり前のようにわたしは靴を履き替えて、当たり前のように、今日は2度目の、登校。


