季節は冬。


カラッとした寒い冬空とは裏腹に教室はいつも通り、クラスのみんなは元気だった


「詩桜ーほんとにクリパ行かないの?」


私、満井 詩桜(ミツイ シオ)は友達の沙織(さおり)とお弁当を食べている


クリパっていうのはもちろんクリスマスパーティーの略。


クラスで集まってプレゼント交換したりゲームしたり…ようするに遊ぼうって話。



それが今日、25日のクリスマスの日。


「え?うん。行かないよ」


「えーっもったいない!今年のクラスはイケメンばっかなのにー」


まぁ、詩桜が来たらイケメン達はみんな詩桜に集まっちゃうけど…


ちょっとー沙織さん。小声で言ってるけど聞こえてますよ


まあ地球がひっくり返っても絶対ありえない事を言ってる沙織は置いとこう。


「で?詩桜は今日の放課後は"コレ"とすごすの?」


ニヤニヤした顔を浮かべて小指を立てる沙織


「ちょっ、やめてよっ!違うから〜っ」


「アハハ!顔真っ赤!」


「も〜」


ずっと笑ってる沙織を軽く睨んでパタパタと熱を持った顔を冷ましていれば


「しーおっ!」


「うわっ!…もーなんだ颯大(ソウタ)か」


いきなり視界が真っ暗になって慌てて振り向くとそこには、私の頭に肘を乗せてるおバカの顔。


颯大は中学から仲いい男友達の1人。


今みたいに私の目に肘を当てて目隠しするようなどうしようもないイタズラ好き


なのに顔だけは良いからモテるらしい。


…私にはこの人の良さはわからないけど


「こら、なんだとはなんだ


それに今失礼な事考えてただろ!?」


「別に?今日も変な顔だなーって」


「詩桜、俺怒った」


「ひゃっ…っ変態ーーー!」


脇腹をこしょこしょされ、悶絶


「おいおい変態じゃないし。そんな怒るなよ」


すぐに離されたけどこしょこしょの弱い私には相当なダメージ。