歩きながら思うのは詩桜の事。
むしゃくしゃしたからって話を最後まで聞かないなんて最低だよな…
でも、颯大の事で悩んでた。なんて言われたら
俺はなんて言えばいいんだ?
応援してる?お似合いだと思う?がんばれ?
…目のあたりにした時、俺は本当にそんなことが言えるか自信が無い
けど…やっぱり感じ悪かったよな俺。
いつもなら気にしないくせに詩桜が絡むとどうしても分からなくなる
何にも関心の無い俺が、詩桜に出会って色を見つけた。
詩桜は…渡したくない。
俺は今来た道を戻り始めた
色々考えてたせいか、無意識に遠い所まで来ていた
またボンヤリ歩いていると
イルミネーションのある街並みから少し外れた店の隅に座り込んでる人を見つけた
どこかで見たことのある服
制服…あれは…
まさか。
「………詩桜?」
人混みを掻き分け、座り込んでる人の目の前にしゃがんだ
なんでこんな所にいるんだよ
弱々しくも、驚いたように顔をあげた詩桜を見て俺はまた驚いた
詩桜は、泣いていた
なんで、泣いてんだよ…
頭をよぎったのは颯大の事。
颯大となんかあったのか…?
そう思ったら聞きたくない気もするが、
泣いてる詩桜を放っておくなんてできない
とりあえずコートを詩桜にかぶせ、泣き止むように頭を撫でてみる
しばらく俯いたままだった詩桜。
"どうした?"
その言葉をかけようと思った瞬間
詩桜はパッと顔をあげた
─ドキッ
しゃがんで顔を覗き込むようにしてた俺と、顔をあげた詩桜
思ったよりもそのキョリが近くて
柄でもなく緊張が走った
寒いのか少しだけ染まった頬
涙に濡れた瞳
…あぁ、やばい

