「美咲先輩がいるのは知ってる…。
だけど、返事…もらえる…?」
訪れたのは長い沈黙だった
優真君はいきなりの告白に驚いたのか目を見開いて。
返事はわかってるのに、なんでか緊張が止まらなくて
周りの音なんか聞こえなかった
人も、イルミネーションも見えなくなって
まるで私達しかいないみたいな感覚
…どうして返事くれないのかな
もしかしたら優真君は優しいから
どうやったら傷つけずに断れるのか考えてるのかもしれない
そしたら私、すごい迷惑な奴だよね…。
「あの、困らせてごめんね
返事はやっぱり大丈夫っ
えっと…これからもよろしくしてくれると嬉しいな」
結局最後に逃げたのは私だった
いつの間にか離してしまっていた腕。
もう顔は見られなくて
小さく会釈して優真君の隣を通り過ぎようとした、
いきなり腕を引かれ目の前がゆっくり傾いていく
─グラッ
「えっ……」
なに、この状況
優真君の香水の匂いが間近でして、
目の前を覆ううちの高校の制服
背中に回された腕
…これって
抱きしめられてる、の?
どうして…
「勘違いさせてごめん」
頭の中がぐちゃぐちゃでパニックになってると、
ふと上から聞こえた弱々しい声
「優真君…?」
聞き間違えたりなんかしない、好きな人の声が近くで聞こえた
それだけでも充分幸せなのに
「俺も詩桜が好き」
彼は続けてそう言った
「うそ、でしょ…?」
し、信じられない
「嘘じゃない」
「だ、だって美咲先輩は…?」
つい本音をこぼすと
ふわっと体が離れて、また近くで目が合った
「詩桜、俺が泣く女苦手なの知ってるでしょ」
「う、うん」
前に言ってた。どうしていいかわからなくなるって
「美咲先輩、すぐ泣くから。
どうしても拒めなかった
告白はされたけどそれは断ったし」
うそ………
じゃ、じゃあ本当に私を…?
これは夢なのかな?
も、もちろん夢であって欲しくないけど
夢でも今日は最高な夢だよ…

