「え…っ」
顔を離して俯いているから表情はわからない
「それ今度返してれればいいから。
風邪引く前に帰れよ」
さっと立ち上がって背を向け歩き出してしまった優真君
どうしていつも私を遠ざけるの…?
わかんない、優真君の気持ちも行動も
もしかしたら美咲先輩を思ってかもしれない
だけど私だって優真君が好き
こんなところで諦めたら沙織や颯大に顔向けできない
私は走り出した
そして、また失わないように…
すっと息を吸い込んで
「優真君ーーーー!」
大声で名前を呼んだ
ピタッと止まった優真君。
今度はそんなに離れてなくて、すぐ追いついた
「あの…っ優真君」
"こっちを向いて"
という意味で服を少し引っ張る
だけど…こっちを見てくれない
何も言わず、動かない
"嫌われた"
そんな言葉が頭をよぎった
…でも、負けない!!
こっちを向いてくれないなら
「優真君!!」
私は優真君の正面に回り込んだ
逃げられないようにぎゅっと腕を掴んで
ちゃんと目を合わせたくて見上げた
優真君はいつも通りポーカーフェイス
だけど黒い綺麗な瞳には私が写ってる
私も逃げない、だからどうか優真君も逃げないで
「優真君、あのね…っ」
言いたい事は沢山ある。けどね
「好き…っです…」
やっぱり伝えたかったのはこの一言。

