にじいろ

–––ドンッ。
思い切り杉浦くんを突き飛ばす。
「なんで…こんなっ」
じわりと涙が浮かぶ。
「……高瀬も、こんな気持ちだったんじゃねぇのかな。」
「へ……?」
杉浦くんは申し訳なさそうに目を伏せた。
「…好きでもない奴に、キスされた」
「あ……」
考えてるようで、考えていなかった。
高瀬くんの気持ち。
「……私高瀬くんのことが…好き。大好き。」
「……うん。」
「今、やっと気づいた。言い訳をして傷つくことから逃げてた。」
「…うん」
杉浦くんは真剣に向き合ってくれた。
「…キスしてごめん。ことはちゃんは嫌だっただろうけど、俺はドキドキした。………気の済むまで殴って」
覚悟をした目。杉浦くんはゆっくりと目を閉じた。
「……わかった」
–––ペチン。
「!?」
杉浦くんは目をまん丸にした。
「本当に、ドストレートだね。」
「……なんで殴らなかった?」
「…わからないや」
憎むべきなのに、それができない。
「ありがとう杉浦くん。……せっかく誘ってくれたのに、ごめんなさい。私は、高瀬くんを追いかける」
「…うん。」
「今までありがとう。………さようなら」
「………………うん」
迷わずに、駆け出す。
高瀬くんの元まで。走れ。走れ。