＊＊凛said＊＊

なんで？なんであたしは、今取り残されたの？
ねぇ、カナ。いつも悪口で盛り上がったよね？
マリ。彼氏、紹介してあげたよね？
なんで？なんで？
パニックでふらつく。
教室には、あたしだけ女子1人取り残された。
あたしは、ただ…。
「みんなに必要とされたかった…。」
あたしを見る周りの目は冷たくて、あたしはもうこのクラスにはいらない。と言われた気がした。
「授業、始まる」
ただ1人、言葉を発したのは高瀬翔太。
彼の言葉に野次馬達が教室に帰っていく。
その中にはことはの彼氏、杉浦蒼斗の姿もあった。
もう、どうでもいいや…。
立ち上がった瞬間、高瀬が小さな声で言った。
「俺、工藤さんの度胸あるとこ憧れてる。」
ポツ
涙が溢れて零れ落ちた。