にじいろ

**凛side**

ことはと喧嘩したあの日から。
あたしに話しかけてくれるのは、翔太だけになった。

「あんた、まだ悩んでんの?」
トイレでうじうじすることはが、鬱陶しかった。
あたしに合わせてた頃よりはマシな奴になったとは思ったけど。
まぁ、どうでもいい。
あたしには翔太がいるから。

「ねぇねぇ聞いたぁ?ことはが、高瀬くんとウワキしてるって」
廊下で盛り上がるカナの声が聞こえた。
「え〜、確かに高瀬ってかっこいいもんねぇ」
カナとマリはくすくすと笑いながら女子トイレに向かった。
「……アホらし」
少し前は、自分もあんなくだらないことを言って笑うようなやつだったのか。
ことはと喧嘩した日。
自分がどれだけバカだったか、ようやく気付くことができた。

「高瀬くんのこと好きだから!」
言い切ることは。噂は本当だったんだってわかった。
ことはに背を向けたあと、ことはへの怒りが沸き起こった。
「あたしには、翔太しかいない。」
ことはには、杉浦も、清水もいるくせに。
自業自得?そんなの知るかっつーの。

「沢田と付き合うことになった。」
予感はしてた。目を合わせては微笑み合う二人を、何度も見たことがあるから。
だけど、だけど、だけど。
そんなの認め無い。
何があっても、奪ってやる。
一度戻りかけた良心が、どこかへと行ってしまった。