月曜日の朝。
結美と話をしようと思い、早く来たものの、結美の姿は見あたらない。
「結美、いつも早いのにな…」
寝坊でもしたのかな。
それとも…
「おはよ」
「お、おはよう」
高瀬くんと挨拶を交わす。
好きだって自覚してから、初めて話すから…ドキドキしちゃうな。
頬がほんのり赤く染まる。
「屋上、来る?」
「いっ行く!!」
声を張ってしまった。
高瀬くんは、クスリと笑った。

「すぅーーっはぁ〜〜」
思いっきり息を吸う。
「屋上の空気っておいしい!」
「…外の空気と変わらないだろ」
「そんなことないよ」
高瀬くんと、屋上にいる。
それだけで心が温かくなった。
「…沢田、俺のせいで杉浦と別れたってほんと?」
高瀬くんは私の隣に座った。
「……ううん。別れたのは本当だけど、高瀬くんのせいなんかじゃない。私のせいなんだ」
心の奥で、人を傷つけてしまった痛みが、まだ残っている。
「別れたのって、本当なんだ」
高瀬くんが呟く。
「え?」
「俺、沢田のこと振り向かせるって言った」
高瀬くんの表情に。目が離せない。
「告白の返事、まだ聞いてない。」
心臓が、壊れそうだ。
「私も…高瀬翔太くんが、好きです。」
震える声で伝えた気持ち。
「………」
「高瀬くん…?」
「……………大事にするから」
高瀬くんは、私を抱きしめた。