朝1番、私は屋上に向かった。
「清水さん、あの後なにもなかったかな」
昨日見つけた特等席に腰を下ろす。
本人は大丈夫だと言っていたけれど…。
もしも凛の仕業だったら、清水さんへの対応はもっと悪くなっていく。
「どうすればいいんだろう」
人に合わせることしかできなくなった私に…今更、なにができるの?
「正直に話してみたら?」
「へっ?」
どこからか、声が聞こえた。
「そうすれば相手もわかってくれると思うけど」
声の主は、こちらに顔を出した。
しまった。向こう側に誰かいたんだ…!
「ここ、俺の睡眠スポット」
その男の子は、クラスで1番人気の高瀬翔太だった。