にじいろ

**杉浦side**

『本当にありがとう』
高瀬のことが好きなことはちゃん。
「諦めらんねーよ……」
別れた日からもずっと、ことはちゃんのことを考えてる俺は、女々しすぎる。
そう思うけど、今も考えてるんだからほんと、気持ち悪い。
「…買い物にでも行くか!」
財布とスマホをポケットに突っ込んで、俺はショッピングモールへと向かった。

日曜日の今日は、セールやらなんやらで割と混んでいた。
「あ、この服ことはちゃんに似合いそう」
どこにいても、真っ先に考えてしまうのは…ことはちゃんのことだった。

買いたかった物をひとまず買い、椅子に座る。
「ことはちゃん…?」
幻覚を見るくらい考えていたのか。
「病院行こうかな」
「具合悪いんだ」
「…うわぁっ」
急に声をかけられ、びっくりして飛び跳ねた。
「なんだ、結美か。一人?」
「ことはと買い物。今、トイレ行ってる」
「…そしたら、幻覚じゃなかったのか」
「……」
今でもことはちゃんを引きずってる俺を、結美はキモイ男だと思うんだろな。
「そういえばこの前、肩貸してくれてありがとな。結美はほんと優しいよな」
「………ことはが羨ましい」
「え?なんか言ったか?」
小声で呟いた結美の声は、聞き取れなかった。
「別に」
結美が今にも壊れそうな声で答えた。