にじいろ

結美は、私に言いにくいことをちゃんと話してくれた。
私は…杉浦くんに言わなきゃいけないこと、言えてない。
「ごめん。今から、杉浦くんのところ行ってくる!」
「…うん、いってらっしゃい。」
信じてくれているのが伝わった。
涙をこらえて、精一杯の笑顔を向けた。

「杉浦くん!」
下駄箱で杉浦くんを引き止めた。
「…ことはちゃん」
杉浦くんが振り返った。
「私ね、言わなきゃいけないことがあって」
「?」
「…好きになってくれて、ありがとう。笑ってくれて、ありがとう。真っ直ぐな言葉を伝えてくれて…本当にありがとう」
私が言わなきゃいけなかったのは、ごめんね。よりも、ありがとう。
そう、思ったんだ。
「やっぱり、ことはちゃんは…キラキラして見える」
その眼差しは眩しすぎて、私には勿体無いくらいだった。
「これからも、友達として仲良くしてくれると…嬉しいです」
目を見て、ちゃんと言った。
「…うん」
杉浦くんは穏やかな笑顔を見せた。