**結美side**

「結美って美人だよな」
なにを言い出すんだこの男は。
「…………ありがと」
あーもう。
うっかりドキドキしちゃったじゃん。
中学時代のあたし、清水結美はこの、ドストレート男……杉浦蒼斗に恋をしていた。
その頃は、一緒に帰ったりもしてたから本当は付き合ってるだの、いろいろ言われてた。
だから、あたしも期待してた。
蒼斗もあたしを好きなんじゃないかって。
「蒼斗、好きな人いるの?」
冷静を装って言った一言は、かなりの勇気を出して言ったものだった。
「んーー。可愛い子が好きかな!」
「………なにそれ」
勘違いだったんだ。
あたしのこと、好きじゃなかった。
その日から、蒼斗の前でうまく笑えなくなった。

そんなことをしている間に、あっという間に高校生になった。
あたしは、クラスのリーダーグループに目をつけられ、嫌がらせを受けるようになった。
その中には、蒼斗の彼女。沢田ことはもいた。