杉浦くんがあんな告白をしてくれるなんて。
教室に向かう私の心臓は、まだ、大きな音を立てている。
『存在が綺麗っつーか…』
かあっと顔が赤くなるのがわかった。
「涼しい風にあたりたい…」
私の足は、屋上へと向かっていた。

「あ。」
屋上には高瀬くんがいた。
「よっ」
「おはよ」
じーーー
高瀬くんは、私の顔をまじまじとみている。
「沢田、顔赤くね?」
一目見ただけでわかるくらい赤いんだ。
なんだか恥ずかしくて、俯く。
「……そんなに嬉しかった?」
なにが?と、私が聞く前に高瀬くんは言った。
「人生初のガチ惚れ」
「き、聞いてたの!?」
思わず大きな声が出る。
「下駄箱での告白なんて、聞いてくださいって言ってるようなもんじゃね?」
ごもっともです…。
「てかいーの?屋上来てるの、浮気だと思われるかもよ?」
「あー…。だいじょーぶ!私、高瀬くんのことそういう風に見てないからっ!」
「なんか、けなされた気分。」
高瀬くんは苦笑していた。