「なんかさぁ、清水ってうざくない?」
凛の言葉に、周りにいた数名の女子が反応した。
「…わかるー。なんか気取ってる感じでさー」
「私は、あなた達とは違うわ!とか思ってそー」
「それな!」
くすくすと笑い合う女子達は、国を仕切る女王みたいだ。
「ことはも、そう思うよね?」
急に話を振られ、私はびくっと肩を揺らした。
「…うん。うざいよね」
盛り上がる女子達に合わせて愛想笑いをした。

いつからこうなってしまったんだろう。
私、沢田ことはの友達は、クラスのリーダーの工藤凛。
高校に入って初めて話した人。ということがきっかけで、何となく友達になった。
当初は、クラスを仕切る凛に憧れを抱いていたが、関わるにつれて嫌われないように過ごさなければ。と、怯えるようになっていた。
「話したこともない人の悪口言って、私は臆病者で、卑怯で…最低だ……。」
誰もいない屋上で、1人弱音をはく。
「教室、戻らなきゃ…」
戻りたくない。という体に抵抗して、私は教室に戻った。