なんやかんやで三木と付き合って2ヶ月。

奥手な俺と三木は手すらまともに繋いでいないわけで…

「川辺?」

「あ、悪い…なんだっけ?」

「お前疲れてるのか?部活ばっかやっていたらつまらんだろ!」

古典の教科書を広げてニヤリと笑う彼女は小悪魔という言葉がよく似合う。

「うるさい」

「デートするぞ」

「はいはい。……デート?!」

そんな俺たちはまともにデートなんてしているはずもなく、三木の言葉に驚いた。

「たまには良いだろ?今週の日曜日に隣町のショッピングモールで買い物だ!」

「お前は楽しそうだね〜…」

「川辺は楽しくないのか」

ぶすっとむくれて三木は頬杖をついた。

やば、怒らせちゃった?

「梢〜?」

「なっ、ばっ!!いきなり名前呼ぶな馬鹿っ!」

あれっ?

三木は俺を見て顔を真っ赤にして、口元を半分教科書で隠しながら怒っている。

「あ〜もう!川辺の変態っ」

照れてる。
確実にこいつ照れてる。