「認める気無かったら元からこんなレース出さないよ」

「そっか…」

じゃぁもしかしたら
要さんも少しは――…

「家には帰らないのか?」

「まだ仕事があるんだよ」

「…そうか」

「結婚式には行くから」

「……気が早いわ!!」

三木は笑って親父さんに言った。

親父さんも安心したように笑って、屋上を後にした。

最後に一言、娘を頼んだよといわれたが…


「川辺慎太郎〜」

「あ、要さん!」

ひょっこり屋上から出てきた要さんは、手に持っていた箱を俺に渡した。

「何?」

「景品だよ、景品」

あぁ、そんなもんもあったな…

「川辺、開けてみるぞ!」

「おぅ」

俺は箱のフタを外して中をのぞきこむ。

「………何すか?」

「図書カード5000円分」

「…………」