「誰…?」

階段から上がってきたのは知らない中年のダンディーなかんじのおじさんだった。

「父さん!」

は…?

「三木の親父さん?!」

「その通り、三木浩です。君が…川辺くん?」

「はっ、はい!川辺慎太郎です!」

俺は反射的に立ち上がった。

「なんで父さんがここに居るんだ。なかなか仕事で家にも帰らないくせに」

「梢」

三木はむすっとした顔で親父さんを見つめる。

親父さんは困ったように笑って言った。

「要から、聞いてね」

「兄貴から?」

「梢の将来の旦那が出来るかも…とね」

「だっ…!」

旦那って!
つーか要さんが?!

意味分かんねぇし!

「三木のお兄さん、川辺のこと見込んでこのレースにだしたんじゃないの?」

「和真」