「よく来たな、川辺慎太郎…」

華鳳凰の校門で仁王立ちをしている要さん。

一体何時から居たんだろう…

「はぁ…」

「貴様、勝つ自信はあるのか?」

びし!っと俺を指差して格好よく鼻で笑う要さんは何だか可笑しかった。

「ありますよ」

「ほぅ…?」

「三木が勝つっていったら勝たないとあいつは満足しませんから」

「………」

「ね?」

「少しは梢のことを分かっているようだな」

俺が笑うと、スパン!と何処からか取り出したスリッパで殴られた。

「だが安心するな!貴様を認めたわけじゃない!」

痛い!
なんだこの兄弟は!

確か三木にも上履きで殴られた事が…

「貴様が油断すればその先はないんだからな!」

「――…」

「……梢、もう中にいるぞ」

「はい…」