「負けると…」

「ん?」

「負けると思うか?」

急に真剣にな顔をした三木に聞かれて、まばたきを三回した。

「そりゃ…他の奴よりは運動神経良いつもりだし、三木は勉強も出来るし――…」

「そーじゃなくて…」

「違うの?」

「……想いの強さ…とか…そーゆーのだアホ!」

どかっ!

「痛!!」

「恥ずかしいこと言わせるな!」

自分で言って恥ずかしくなったのか、背の低い三木は手に持っていた学生カバンで思いっきり俺の頭を殴った。

「じゃー言うなよ…」

「察しろ!川辺のアホ…」

そんな無茶な…

俺が涙目になって頭をさすっていると、また恥ずかしそうな顔をして睨んできた。